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混濁から戻ってくる時は、だいたい雨上がりの水たまりの中にいる。早く水面まで昇らないと。
動きには気をつかう。両手両足をていねいに動かさないと、底に溜まっていた澱が浮き上がってしまうのだ。
毎回失敗する。混濁の底にある澱は水中に舞い上がり、僕はそれを全身の皮膚に張り付けながら、複雑な気分で水面に顔を出す。そしてだいたい遅刻する。
 
 
 


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