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たかいたかい

 
 
 
「ここが、いちばん高いところだよ」
 鳥がそう言った。
 全くその通りだと思った。あらゆる灯りが、ここからは全く見えない。たしかに、ここはいちばん高いところなのだろう。

 鳥は、私を掴んでいた両足の指を広げた。
 私はそのまま、頭のほうから、下に落ちはじめた。
「いってらっしゃい」
 鳥の声が微かに聞こえてくる。

「いってきます」
 そう返す頃には、鳥は私の足先よりもずいぶん高いところにいた。おそらく、私の声は聞こえていないだろう。

 少し眠らなくては。
 どうにかして街の灯を拝み、いつの日か、めでたく、どこかの地面と接吻するまでの間、体調管理には十分に気をつけなくてはならない。
 
 
 


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