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ハザード

 
真夜中に特殊車両が路上駐車して延々ハザードを焚いている様子は、いつ見ても妙な事件性を帯びている。

その夜も真っ暗な駅の前で、かろうじて業務用とだけ分かる緑色の特殊車両が数台並んで路上駐車していた。

だれもいない。ずっと続いているハザードの点滅。何が起きているのだろうと部外者の僕が考えたところでたかが知れている。結局なんにも分からない僕の立っている場所は、出来事の外側だ。

とにかく近付かない限りは安心だ。僕はハザードの点滅する光に気づかれないように、ゆっくりと視界の外へ逃げた。逃げる先はいつもの暗い町だ。
 


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