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残骸

 
溶けたり、爆発したものが置き去りになったまま、その日の夜がやってくる。

次の日。
前日置き去りにされたそれらには白いシーツがかけられていて、シーツの上からその残骸のおぼろげな輪郭だけを見ることができる。

その次の日。
それらは白い紙箱の中に入れられた。

その次の日。
白い紙箱の各面を止めるため、所々にシールが貼られた。

その次の日。
白い紙箱にリボンがかけられる。

その後。
目で確認できるのは白い箱とかけられたリボン。中身はもう見えないが、何が入っているかはちゃんと覚えている。箱は開けない。中身はかつてあったものの残骸なのだ。いつ開けたとしても在りし日の姿はなく、それらは、溶けたり、爆発した果ての姿でしかない。

ずいぶん時間が経ってもまだ白い箱は在り続け、箱越しに想像するそれは、時により在りし日の姿であったり、残骸そのものだったりする。
 
 
 


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