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二人きりで

 
 
 
横断歩道で待っている女性は、お腹をさすりながら嬉しそうに笑っていた。

押しボタン式の信号に気付いていない。信号はずっと赤のままだ。
近づいて声を掛けようとしたら、女性は妊婦だった。立ちっぱなしのままやっぱり笑ってる。多分幸せで仕方ないのだろう。邪魔してはいけない。

その女性を見ていると、父親の気配が無いことに気が付いた。
実際に父親がいるのかいないのか、そのあたりは全くわからないけれど、たぶん、

その時はきっと世界中に彼女とお腹の子二人しかおらず、それを見る僕らは電柱とかとおんなじ単なる風景でしかなく、

だからこそ彼女は、お腹の子と二人きりで、二人きりで笑っていたのだろう。
 
 
 
 


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